こんにちは

感染管理認定看護師の伊藤です。
気温が下がり空気も乾燥してきました。体調管理も難しい時期ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか

さて、
目に見えないものを “みる” 、一体何のこと?思われたことでしょう。
「感染は予防が大事、そのための予防策をしっかり行うことが大事!」そうは分かっていても、感染を起こす原因になるもの(病原体)は目には見えません。目に見えものを相手に対策を行うことはなかなか難しい…とつくづく感じます。
こんなふうに分かりやすければいいのに、といつも思ってしまいます。
この丸い子はノロウイルス↓

トイレのドアノブはキレイに見えて…ノロウイルスがついているかも?

人は、目に見えるものには注意が向きやすく、対応も意識的にできると思います。でも、目に見えない・捉えられないものが相手だと、頭では分かっていても、注意を払ったり対応することはなかなか難しいものです。
目には見えなくても触ったら手がビリビリする!とか、手が赤く染まって取れない!とか、そんなことがあれば分かりやすくて対策もしやすいのですが、残念ながらそんな都合のいいことはなく…。そんな中で感染を未然に防ぐためには、
そこらにいる
「見えないモノたち」をあえて “みようとする” こと
が大切だと感じます。
実際にはどうやっても見えはしませんが、知識があれば想像してみることが可能になる。感染管理認定看護師である自分は、それが“みえるようになる”ためのお手伝いをすることと、予防の具体的な方法を伝えていくことも役割の一つだと思っています。
私が所属する感染制御チーム(ICT)の活動の中では、院内で目に見えないものを可視化し、職員が実際に感染対策の実行につなげられるよう、次のような取り組みを行ったりしています。
@【「手袋を外した後は必ず手指衛生が必要」なことを見て実感する】
↓使った後の手袋を外してもらい、ブラックライトで汚れを確認。

白く光ったところが汚染されていて本人もびっくり。

「手袋をつけていたら手は汚れないはずじゃないの?」→答えはNO!
A【病院で使用するパソコンのキーボードの汚染具合を数値で確認】

キーボードを専用の綿棒で拭い、試薬を反応させて機械に入れると数値がでます。この数値は汚染の程度の目安。次回は数値が下がるように各部署で清掃などに取り組みます。
そして、
地域住民の方を対象とした活動としては、11月3日(土)に開催された当院主催の
「第44回 地域で暮らす高齢者のための医療公開講座」で、医師とともに感染予防のお話をさせていただきました。

普段は職員対象の研修会等でお話しすることが多いので、このような機会は自分自身にとっても貴重な経験です。私は主に
手洗いと咳エチケット
についてお話しましたが、必要性や具体的な実行方法が視覚的に捉えられるように、大きな文字・大きなイラストが動く仕掛けなどを入れるなど、少々工夫をしました。
どれくらい伝えられたかわかりませんが、皆様がうんうん!と頷きながら笑顔で聞いてくださったので、私も楽しくお話しさせていただくことができました

これから
インフルエンザや
感染性胃腸炎などの
流行時期に入ります


今回の講座が少しでも地域住民の方々の感染予防のお役に立てば嬉しいです。
みなさまもどうか体調に気を付けてお過ごしください
posted by 専門・認定看護師 at 23:01|
日記
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